スマホの出現により、人々の生活は大きく変化しましたよね。
YouTubeにSNS、ショッピング、音楽、ゲーム、漫画、映画、地図、天気、公共サービスなどなど、スマホ1台があれば何でもできてしまう時代となったわけです。
それゆえに、多くの人が1日中スマホを手放さず、時間があればスマホ画面を見続けるようになりました。
そして、眼精疲労を軽減するために、「ブルーライトカットメガネやフィルム」を使用する人も増えましたよね。
しかし、近年では、「ブルライトをカットしても眼精疲労は軽減されない」といった情報も目にするようになりました。
この記事では、そんな「ブルーライトカットメガネやフィルムは本当に眼精疲労への効果はあるのか?」という疑問について解説していきたいと思います。
ブルーライトとは?
デジタル化が進んだことによって、「ブルーライト」という言葉をよく聞くようになりましたよね。
まずはこの言葉の意味を解説していきましょう。
我々人間が「光」と認識する物は、「可視光線」と呼ばれています。
波長の範囲の長さによって見える色も違ってきます。
例えば紫であれば380~430nm(ナノメートル)、青は430~490nm、緑は490~550nm、黄色は550~590nm、橙は590~640nm、赤が640~770nm
ブルーライトと呼ばれる光は、一般的に380~500nmの波長の可視光線のことを指します。
日常生活の中でも、このブルーライトは非常に多くの物に使われていて、蛍光灯やLED照明、テレビなどもブルーライトが発せられています。
しかし、特に強いブルーライトを放っている機器があります。
それがスマホであり、PCやタブレットなのです。
人間の目は、このブルーライトをブロックするのが苦手であるという特徴を持っています。
ブルーライトを多く浴びるとどうなる?
ブルーライトは、他の可視光線とは違いそのすべてが角膜を通り抜けて網膜まで届いてしまいます。
網膜や黄斑部にダメージを与えることで、網膜疾患などを引き起こす原因となるのではと考えられています。
一般的には視力低下への影響や、睡眠の質への影響が懸念されています。
また、その強いエネルギーゆえに、ホルモンを刺激してしまうとも言われています。
PCやタブレット、スマホなどは、ブルーライト量も多く目との距離も近いので、よりブルーライトの影響を受けやすいのです。
ブルーライトカットメガネやフィルムの効果
近年では、目の奥まで到達してしまうブルーライトを少しでも少なくするための商品が多く販売されるようになりました。
ブルーライトカットメガネやPCやスマホの画面に貼るブルーライトカットフィルムがまさにそういった商品の代表とも言えます。
これらの商品は、その謳い文句通りデジタル機器から発せられるブルーライトを大幅にカットしてくれるという特徴があります。
例えばそれほどPCやスマホの操作時間が多くなければ35%カットの商品を選んだり、比較的長い時間強いようする場合には40%程度、デジタル機器の使用時間がかなり多い人は60%程度カットしてくれる商品を選ぶのが一般的に推奨されていたりします。
ただし、確かにブルーライト自体はカットができるものの、「おかげで目が楽になった」という人も多少はいるものの、「特に効果が実感できない」という人が多いというのも事実です。
ブルーライトはそこまで恐れるものではない?
ブルーライトは可視光線の中でも強いエネルギーを持っていますが、実はデジタル機器から発せられるブルーライトは「自然光に含まれるブルーライトよりも少ない」という特徴があるのです。
それゆえに、「ブルーライトを必要以上に恐れる必要はない」という意見が近年増えてきていたりします。
逆に、子供にブルーライトカットメガネを掛けさせることで十分な太陽光を浴びることができず、近視信仰のリスクが上がるという意見もあります。
これは、2021年4月14日に日本眼科学会と日本近視学会、日本小児がん化学会などが連名で小児のブルーライトカットメガネの効果に対しての否定的な意見書を提出したことからも、かなり信憑性の高い情報だと判断できるはずです。
ブルーライトが視力低下や眼精疲労に対して多大な影響を与えるという確かなエビデンスは乏しく、その信憑性はあまり高くはありません。
子供に至ってはあまりブルーライトを気にしすぎないということが重要ですし、大人であっても過度に恐れる必要はないと言えるかもしれません。
そういった対策よりも、「定期的に目の周辺をマッサージしたりツボを押す」「目薬をさす」「姿勢を正しデジタル機器から距離をとる」「就寝1時間前までにデジタル機器の操作をやめる」といった意識を持つことの方が眼精疲労などには効果的であるはずです。
まとめ
今回は、「ブルーライトカットメガネやフィルムは本当に眼精疲労への効果はあるのか?」という疑問について解説してきました。
ブルーライトをカットするメガネやフィルムなどは、確かに目の奥に届くブルーライト量を軽減しますが、自然光と比べるとデジタル機器のブルーライト量は少ないので、それほど恐れなくても良いと言えるのかもしれません。
それよりも、長時間のデジタル機器の使用を控えたり、目へのケアを積極的に行うといった行動の方がより重要です。
「ブルーライトメガネをしているから大丈夫(フィルムを貼っているから大丈夫)」と過信せずに、しっかりと自分の目を守る意識を持つようにしましょう。